バグダッド・カフェ【ヒューマン・コメディ映画】
旅行中に夫とケンカ別れし、砂漠のハイウェイ沿いの寂れたカフェに新しい人生を見出す女性を描く。
彼女の運命は?!
作品解説・あらすじ
1987年制作の米/西独合作のヒューマン・コメデイ映画です。
アメリカ旅行中、レンタルした車内でケンカ別れし、砂漠沿いのハイウェイを一人歩く羽目になったドイツ人女性が立ち寄った、寂れたお店とそこの人々に新しい人生を見出し切り開くお話です。
まず冒頭、砂漠のハイウェイ沿いで、何やら中年夫婦が痴話喧嘩しているようです。
どうやらドイツからの旅行者のようです。
それにしても険悪なムードです。
引っ叩いたり物を投げたり...。
車に乗っても険悪なケンカムードは続きます。
(これが本当に旅行者なのでしょうか...?!)
そして、堪忍袋の緒がキレた妻ジャスミンは、車を降りて自分の荷物を持って歩いて行ってしまいます。
夫も妻を残し、そのまま車で走り去ってしまいます。
こんな砂漠のハイウェイを一人で歩き始めるジャスミン...。
しばらく歩き続けると、何やらお店を発見します。
ガソリンスタンド兼モーテル兼ダイナーのようです。
その名は『バグダッド・カフェ』。
ジャスミンはここに立ち寄ります。
(随分前に夫も立ち寄ったようですが、彼女には知る由もありません)
そこには、同じく夫婦ケンカし、夫に出てゆかれた、事実上の女店主ブレンダがいました。
彼女は、子育て、お店の切り盛り、夫の相手といずれもうまくいっておらず、年がら年中怒っている様子です。
ジャスミンは、ブレンダからモーテル一室を借りる事にします。
そして、カフェに立ち寄ります。
そこには、幾人かの人達がいます。
客がいないとカウンター奥のハンモックで寝ているウエイターのカヘンダ。
ピアノに夢中のブレンダの息子サロモ。
無口な女入れ墨師デビー。
店のそばのトレーラーハウスに住んでいる元映画美術師の老人ルディ...。
テーブルに座っているジャスミン、何を想うのでしょう...。
ルディがジャスミンにコーヒーを入れてくれます。
しかしそのコーヒーは、夫と別れた時、彼が外に置いたジャスミンのコーヒーポットのコーヒーでした。
これは、ブレンダの夫サルが道で拾ってきたのでした。
この事に関してジャスミン、まったく腹を立てる事もなく口にしません。
ジャスミンは口数は少ないですが、その表情は常に自然で穏やかです。
彼女はどうやら、このカフェが気に入ったようです。
自分の部屋の掃除をし始めるジャスミンを見て、ブレンダは彼女を煙たがります。
旅先で夫とケンカ別れしたばかりのジャスミン、この先一体ここでどうしたいのか?!
そして、同じく夫に出ていかれた怒れるバグダッド・カフェ女主人ブレンダとの対立の行方は?!
感想
まず冒頭から流れるテーマソングがよかったです。
私も映画鑑賞前から聞いた事のある有名な曲・ジェヴェッタ・スティールの”コーリング・ユー”ですね!
彼女の伸びやかで綺麗な歌声で”I〜〜〜am〜〜callinng you〜”って。
歌詞も物語の内容に沿っているんですよ。
そして、主人公ジャスミンは、元々魅力ある、少しふくよかな女性ですが、物語が進むにつれ魅力が増してゆく感じでした。
そんな彼女に、カフェのみんなは惹かれてゆく訳ですが、馴れ合いと近すぎる距離感を好まずカフェを出てゆく者もいて、人は十人十色で人生選択自由である事も謳歌している部分にも共感を持てました。
それにしてもジャスミンの、わずかな時間でカフェでの新しい人生を見出し生きてゆく全身全霊の一大決心には敬意を表したいです。
個人的には、こういうヒューマン・ドラマは見慣れてないせいか、なんかこう、観てて恥ずかしくなってちょっと疲れましたが、面白い映画でした。
主な登場人物/キャスト
- ジャスミン
夫とアメリカ旅行中、車内でケンカ別れし、砂漠のハイウェイ沿いを歩いて『バグダッド・カフェ』にたどり着いたドイツ人女性 / マリアンネ・ゼーゲブレヒト
- ブレンダ
ガソリンスタンド兼モーテル兼ダイナー”バグダッド・カフェ”を夫サルと共に経営。 家族やお店の事でうまくいかず常に怒っていて、ついには夫に出ていかれた / CCH・パウンダー
- サル
ブレンダと共にバグダッド・カフェを経営。 グータラな面があり、妻ブレンダにガミガミ言われるのにウンザリして出ていってしまう / G・スモーキー・キャンベル
- ルディ
カフェの近くのトレーラーハウスに住んでいる老人。 映画の美術関係の仕事をしていたらしく、絵が上手い / ジャック・パランス
- サロモ
ブレンダとサルの息子。 ピアノに夢中で、まだ赤ん坊の息子が一人いる / ダロン・フラッグ
- フィリス
ブレンダとサルの娘。 派手で遊び好きの問題児のようだが、根は良い子のよう / モニカ・カルフーン
- カヘンダ
カフェの従業員。 カウンター奥のハンモックでよく寝ている / ジョージ・アギラー
- エリック
カフェにやって来た、若いキャンプ男。 ブーメランでよく遊んでいる。 なぜかカフェ近くに住み着いた模様 / アラン・S・クレイグ
- デビー
カフェのモーテルに住んでいる無口な女性入れ墨師 / クリスティーネ・カウフマン
- アーニー
原住民の警察官。 三編みをしている / アペサナクワット
- ムンシュテットナー
ジャスミンの夫。 旅行中、車内で妻ジャスミンとケンカ別れし、彼女を置いてそのまま車で走り去ってしまった。 彼女より先にバグダッド・カフェにたどり着くが、すぐ帰ってしまう / ハンス・シュタードルバウアー
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